「いざお風呂に入ろうと思ったら、お湯がまったく出ない…!」そんな経験はありませんか?特に寒い季節、お湯が出ないのは本当に困りますよね。
この記事を読めば、給湯器からお湯が出ないときの原因の見つけ方と、自分でできる解決策が分かります。慌てて業者を呼ぶ前に、まずは落ち着いてチェックしてみましょう。主な原因は、ガスの供給が止まっているか、給湯器本体の安全装置が作動している可能性が高いです。
◆ 原因1:家中のガス機器が使えない場合
キッチンのガスコンロもつかないなど、家全体のガスが使えない場合は、ガスの供給に問題がある可能性があります。
原因の解説
何らかの理由でガスメーターの安全装置(マイコンメーター)が作動し、ガスの供給を自動的に遮断している状態です。震度5以上の地震を感知したときや、ガスの長時間使用、ガス漏れの疑いがある場合などに作動します。
具体的な解決手順:ガスメーターの復帰
ガスメーターの復帰作業は、誰でも簡単に行うことができます。メーターの場所が分からない場合は、玄関の外や建物の側面などを確認してみましょう。
- 全てのガス機器を止める: まず、ガスコンロやファンヒーターなど、使用している全てのガス機器を止めてください。
- 復帰ボタンのキャップを外す: ガスメーターの中央付近にある黒い「復帰ボタン」のキャップを、手で左に回して外します。
- 復帰ボタンを押す: 復帰ボタンを奥までしっかりと押し、表示ランプ(赤)が点灯したらすぐに手を離します。
- 約1〜3分待つ: ランプが点滅を始めますので、そのままの状態で約1〜3分待ちます。 この間にガスメーターが安全を確認しています。
- 復帰完了: ランプの点滅が消えれば、復帰作業は完了です。 ガス機器が使えるか確認してみてください。
もしガス臭いと感じた場合は、復帰作業は絶対に行わず、すぐに契約しているガス会社へ連絡してください。
◆ 原因2:水は出るが、お湯にならない場合
水道の蛇口から水は勢いよく出るのに、お湯にだけならない場合は、給湯器本体やその周辺に原因があると考えられます。
原因の解説
給湯器自体は動こうとしているものの、何らかのトラブルで点火できなかったり、安全のために動作を停止したりしている状態です。リモコンにエラーコードが表示されることもよくあります。
具体的な解決手順
以下の3つのステップで確認していきましょう。
ステップ1:給湯器のリモコンを確認する
意外と見落としがちなのがリモコンです。
- 電源は入っていますか?
- 何かの拍子に電源がオフになっていることがあります。電源を入れ直してみましょう。
- エラーコードが表示されていませんか?
- 「111」や「11」などのエラーコードは点火不良を示します。 このようなエラーが出た場合は、一度リモコンの電源を切り、再度電源を入れてリセットすることで復旧することがあります。
- 「888」や「88」という表示は故障ではなく、標準使用期間(約10年)を超えたため、点検時期をお知らせするサインです。
ステップ2:給湯器本体の電源と元栓を確認する
リモコンに問題がない場合は、給湯器本体をチェックします。
- 電源プラグは抜けていませんか?
- 給湯器の電源プラグがコンセントから抜けていると、もちろん作動しません。 しっかりと差し込まれているか確認してください。
- 給湯器下の元栓は開いていますか?
- 給湯器本体の下には、ガス栓と給水元栓があります。 バルブのつまみが配管と平行になっていれば「開」、垂直になっていれば「閉」の状態です。 両方が開いているか確認しましょう。
ステップ3:給水フィルターを掃除する
給水元栓の近くにある「水抜き栓フィルター」にゴミが詰まると、お湯の出が悪くなったり、お湯が出なくなったりすることがあります。
- 給湯器の給水元栓を閉めます。
- フィルターの下に水を受けるためのバケツなどを置きます。
- 水抜き栓を左に回して外し、フィルターを取り出します。
- 歯ブラシなどを使って、フィルターに付着したゴミや砂をきれいに洗い流します。
- フィルターを元に戻し、給水元栓を開けて水漏れがないか確認します。
◆ 原因3:冬場に急にお湯が出なくなった場合(凍結)
外気温が0℃を下回るような寒い日、特に朝方に急にお湯も水も出なくなった場合は、給湯器や水道管が凍結している可能性が高いです。
原因の解説
給湯器につながる配管内の水が、外気温の低下によって凍ってしまい、水の流れをせき止めている状態です。 特に、給湯器が北側の日が当たらない場所にある場合や、風が強く当たる場所に設置されている場合に起こりやすくなります。
具体的な解決手順
凍結した場合の対処法は「自然に溶けるのを待つ」のが基本です。
- 給湯器のリモコンの運転スイッチをオフにする。
- 気温が上がるのを待つ。
- お湯側の蛇口から水が出始めたら、 給湯器や配管から水が漏れていないかを確認してから、リモコンの運転スイッチをオンにして使用を再開してください。
【注意!】
焦って配管に熱湯をかけるのは絶対にやめてください。 配管やバルブが急激な温度変化により破裂し、水漏れの原因となるため非常に危険です。どうしても早く使いたい場合は、配管にタオルを巻き、40℃以下のぬるま湯をゆっくりとかけてください。
◆ それでも解決しない場合に試すこと
上記の基本的な対策を試しても状況が改善しない場合は、以下の点も確認してみてください。
- ブレーカーが落ちていないか確認する: ご家庭の分電盤を見て、ブレーカーが落ちていないか確認しましょう。 落雷などの影響で、給湯器に関連するブレーカーだけが落ちている可能性もあります。
- 断水していないか確認する: 近隣で水道工事などが行われていないか、自治体のウェブサイトなどで情報を確認してみましょう。
- 専門業者に相談する: 上記のいずれにも当てはまらず、給湯器の寿命(一般的に約10年)が近い場合は、本体が故障している可能性があります。 無理に自分で対処しようとせず、専門の修理業者やガス会社に点検を依頼しましょう。
◆ まとめ
急にお湯が出なくなっても、慌てずに行動することが大切です。まずはこの記事で紹介したポイントを確認してみてください。
- まず、ガスコンロがつくか確認し、ガスメーターが止まっていないかチェックする。
- 次に、給湯器のリモコンにエラーが出ていないか、本体の電源や元栓が閉じていないかを確認する。
- 冬場は凍結の可能性も考える。自分で対処が難しい場合や、故障が疑われる場合は、無理せず専門業者に連絡する。
この記事が、あなたの「お湯が出ない」というお悩みを解決する手助けとなれば幸いです。一日も早く、温かいお湯のある快適な生活が戻りますように。

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