いざ書類や写真を印刷しようとしたら、プリンターのインクがうまく出なかったり、特定の色がかすれたりして困っていませんか?急いでいる時に限って起こりがちなこのトラブル、実は簡単な確認や操作で解決することが少なくありません。
この記事では、プリンターのインクが出ない、かすれるといった問題の主な原因と、初心者でも簡単に試せる具体的な解決策を分かりやすく解説します。主な原因は、インクカートリッジの問題か、インクを噴射するプリントヘッドの目詰まりの可能性が高いです。一つずつチェックしていきましょう。
1. インクカートリッジは正常ですか? 基本の4項目をチェック
まず最初に、インクカートリッジ自体に問題がないかを確認しましょう。見落としがちなポイントがいくつかあります。
原因の解説
インクカートリッジが正しくセットされていなかったり、インクが切れていたりすると、当然インクは出ません。 また、新品のカートリッジでも、保護テープのはがし忘れや、長期間保管していたことによるインクの劣化が原因となる場合があります。
具体的な解決手順
以下の4つの項目を確認してください。
- インク残量の確認: プリンターの液晶画面や、パソコンのプリンター設定画面でインク残量を確認します。 残量がなければ新しいカートリッジに交換しましょう。
- カートリッジの再セット: 一度インクカートリッジを取り外し、「カチッ」と音がするまでしっかりと奥に差し込み直してください。 接触不良が解消されることがあります。
- 保護テープのはがし忘れ: 新しいカートリッジの場合、インクの出口や空気穴に貼られている保護シールやキャップが残っていないか確認しましょう。 これらが付いたままだとインクは供給されません。
- インクの使用期限: インクにも使用期限があります。開封してから半年以上経過している場合や、未開封でも長期間保管されていたインクは、内部で成分が固まり、品質が劣化している可能性があります。 古い場合は新しいものへの交換を検討しましょう。
2. プリントヘッドが目詰まりしていませんか?「ヘッドクリーニング」を試そう
インクカートリッジに問題がない場合、次に疑われるのが「プリントヘッド」の目詰まりです。
原因の解説
プリントヘッドは、インクをミクロの粒子にして紙に噴射する非常に精密な部分です。プリンターを長期間使用しないと、ヘッド部分でインクが乾燥して固まり、ノズル(噴射口)を塞いでしまうことがあります。 これが目詰まりであり、印刷のかすれや特定の色が出ない原因となります。
具体的な解決手順
この目詰まりは、プリンター本体に搭載されている「ヘッドクリーニング」機能で解消できる場合があります。
- プリンターの電源を入れ、A4サイズの普通紙をセットします。
- プリンター本体の操作パネル、またはパソコンのプリンタードライバーから「ヘッドクリーニング」を実行します。
- 操作方法はメーカーや機種によって異なります。「(お使いのプリンター名) ヘッドクリーニング」などで検索するか、取扱説明書をご確認ください。
- クリーニングが終了したら、「ノズルチェックパターン印刷」を行い、きれいに印刷されるか確認します。
- 改善が見られない場合は、2〜3回繰り返してみてください。
【注意】 ヘッドクリーニングはインクを消費します。 何度も繰り返すとインクを大量に消費してしまうため、3回程度試しても改善しない場合は、次のステップに進みましょう。
3. プリンターを長期間使っていませんでしたか?
プリンターは、定期的に使ってあげることが実は最高のメンテナンスになります。
原因の解説
前述の通り、プリンターを長期間放置すると、プリントヘッド部分のインクが乾燥し、目詰まりを起こしやすくなります。 定期的に印刷することでインクが循環し、乾燥を防ぐことができます。
具体的な解決手順
特に目的の印刷物がなくても、最低でも月に1回は電源を入れて、何かしらのテスト印刷を行うことをお勧めします。 多くのプリンターは電源を入れる際に自動で簡単なクリーニングを行うため、電源のオン・オフだけでも目詰まり予防に効果的です。
4. 印刷設定が「エコモード」や「下書き」になっていませんか?
意外な見落としがちな点として、印刷品質の設定があります。
原因の解説
インクの消費を抑える「エコモード」や「速い」「下書き」といった設定で印刷すると、意図的にインクの噴射量を減らすため、色が薄くなったり、かすれたように見えたりすることがあります。
具体的な解決手順
パソコンの印刷設定画面を開き、印刷品質が「標準」や「きれい」になっているか確認してください。 用紙の種類の設定が、実際にセットしている紙と異なっている場合も、きれいに印刷されないことがあるため、合わせて確認しましょう。
5. 非純正インクカートリッジを使用していませんか?
コストを抑えるために非純正(互換)インクを使っている場合、それがトラブルの原因になる可能性も考慮する必要があります。
原因の解説
非純正インクは、純正品とインクの成分が異なるため、プリンターとの相性によっては目詰まりなどのトラブルを引き起こす可能性があります。 また、ICチップがうまく認識されず、「インクが出ない」という症状につながることもあります。
具体的な解決手順
もし非純正インクを使用していて問題が発生した場合、一度純正インクに戻して印刷を試してみてください。それで問題が解決する場合は、使用していた非純正インクが原因である可能性が高いです。
それでも解決しない場合に試すこと
上記の基本的な対策で問題が解決しない場合、以下の方法を試してみてください。
- 強力ヘッドクリーニングを試す: プリンターによっては、通常のヘッドクリーニングよりも強力なクリーニング機能が搭載されている場合があります。 ただし、これはさらに多くのインクを消費するため、最終手段と考えましょう。
- プリンターの電源を抜き、しばらく放置する: 電源をコンセントから抜き、数分から1時間ほど放置してから再度電源を入れてみてください。 プリンター内部の熱で固まったインクが溶けやすくなる効果が期待できる場合があります。
- メーカーや専門業者に修理を依頼する: ここまで試しても改善しない場合、プリントヘッドの物理的な故障や、廃インクパッドの満杯など、ユーザー自身では対処が難しい問題の可能性があります。 メーカーのサポートページで修理料金の目安を確認したり、専門の修理業者に相談することを検討しましょう。
まとめ
プリンターのインクが出ない、かすれるといったトラブルに見舞われた際は、慌てずに以下の点を確認してみてください。
- インクカートリッジの残量、セット状態、使用期限を確認する。
- ヘッドクリーニング機能を2〜3回試して、ノズルの目詰まりを解消する。
- 印刷品質の設定を見直し、月に一度はプリンターを動かして乾燥を防ぐ。
これらのチェックを行うことで、多くの場合は問題を解決できるはずです。この記事が、あなたのプリンタートラブル解決の一助となれば幸いです。

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