「承知いたしました」という言葉、ビジネスシーンで使おうとして、スムーズに出てこなかったり、使った後に「本当にこの場面で正しかっただろうか?」と不安になったりしてお困りではありませんか?
この記事を読めば、そんなあなたの悩みはきっと解決します。「承知いたしました」がとっさに出ないのには理由があります。主な原因は、言葉の持つ意味合いを正確に理解できていないか、使うべき状況かどうかの判断に迷っている可能性が高いです。
この記事では、「承知いたしました」の正しい使い方から、状況に応じた言い換え表現まで、具体的な例文を交えて分かりやすく解説します。
「承知いたしました」は目上の方へ使う正しい敬語
原因の解説:
「承知いたしました」という言葉を、単に「わかりました」を丁寧にした言葉だと思っていませんか?「承知」は、相手の依頼や要求を深く理解し、それを受け入れることを示す謙譲語です。 自分をへりくだることで相手への敬意を示す言葉なので、上司や取引先といった目上の方に使うのが正しい使い方です。
具体的な解決手順:
「承知いたしました」は、相手からの依頼や指示、提案などを「確かに聞き入れ、実行します」という意思を伝える場面で自信を持って使いましょう。これは二重敬語ではなく、正しい敬語表現です。
【メールでの使用例】
件名:Re: 会議日程のご連絡
〇〇部長
お疲れ様です。△△です。
次回会議の日程、承知いたしました。
資料の準備を進めてまいります。よろしくお願いいたします。
内容を完全に理解・承諾できていない
原因の解説:
「承知いたしました」は、相手の依頼や指示を完全に理解し、受け入れたことを示す強い言葉です。 もし、内容に不明な点があったり、実行が難しいと感じたりする状況で使うと、後々「話が違う」という事態になりかねません。言葉がすんなり出ないのは、無意識にその責任の重さを感じ取っているからかもしれません。
具体的な解決手順:
完全に同意・承諾した場合にのみ使用しましょう。 もし少しでも疑問点や懸念点がある場合は、安易に使わず、まずは質問して内容を明確にすることが大切です。
【質問する場合の例文】
資料作成の件、承知いたしました。
1点確認させていただきたいのですが、参考にするデータは昨年度のものでよろしいでしょうか。
感謝や謝罪の気持ちが伝えきれない
原因の解説:
何かを依頼された際、単に引き受けるだけでなく、「任せてもらえて嬉しい」「ご迷惑をおかけして申し訳ない」といった気持ちを伝えたい場面もあるでしょう。「承知いたしました」は事務的な受諾のニュアンスが強いため、こうした感情を表現するには不十分な場合があります。
具体的な解決手順:
感謝や謝罪の言葉を添えることで、より気持ちが伝わる丁寧な表現になります。
【感謝を伝えたい場合の例文】
この度はプロジェクトリーダーという大役を仰せつかり、誠にありがとうございます。
ご期待に沿えるよう尽力いたします。〇〇の件、承知いたしました。
【お詫びと共に伝える場合の例文】
ご連絡ありがとうございます。
納期の変更によりご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。
新しい納期について、承知いたしました。
状況に合わない他の言い換え表現を探している
原因の解説:
依頼や指示を受ける全ての場面で「承知いたしました」が最適とは限りません。特に、お客様からの注文や予約などを受ける際には、よりふさわしい表現があります。言葉の選択肢が少ないと、どの場面でも同じ言葉を使いそうになり、違和感から言葉に詰まってしまうことがあります。
具体的な解決手順:
状況に応じて適切な類語を使い分けることで、表現の幅が広がります。
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かしこまりました:
「承知いたしました」よりも、相手への敬意がより深く伝わる丁寧な表現です。 特に、お客様やクライアントからの依頼に対して使うのに適しています。例文:「はい、かしこまりました。ただ今お持ちいたします。」
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承りました(うけたまわりました):
「聞く」「受ける」の謙譲語で、注文や予約、要望などを謹んでお受けするというニュアンスで使われます。お客様や取引先に対して使うのが一般的です。例文:「お電話ありがとうございます。〇〇のご予約を承りました。」
それでも解決しない場合に試すこと
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クッション言葉を添えてみる
「承知いたしました」の前に、「お忙しいところ恐縮ですが」や「ご連絡いただきありがとうございます」のようなクッション言葉を添えるだけで、文章全体が和らぎ、より丁寧な印象を与えることができます。 -
ポジティブな一言を加える
「承知いたしました。早速、対応させていただきます」のように、前向きな一言を加えることで、機械的な印象を払拭し、意欲的な姿勢を示すことができます。 -
短い定型文として辞書登録しておく
メールやチャットツールによっては、よく使うフレーズを登録できる機能があります。「承知いたしました。」「かしこまりました。」などを登録しておけば、入力の手間が省け、スムーズな返信が可能になります。
まとめ
- 「承知いたしました」は、上司や取引先など目上の方の依頼や指示を、深く理解して引き受ける際に使う正しい敬語です。
- お客様からの注文や、より深い敬意を示したい場面では「かしこまりました」「承りました」といった表現が適切です。
- 感謝の言葉や前向きな一言を添えることで、単なる受諾の返事ではなく、心がこもったコミュニケーションが生まれます。
言葉遣い一つで、あなたの印象や仕事の進めやすさは大きく変わります。この記事が、あなたの円滑なコミュニケーションの一助となれば幸いです。

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